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わたしの、宝石箱。(4)雁屋 優
私は大学院進学を目指している。進学のために「必要」な学習がある。英語と、専攻分野の勉強だ。勉強そのものは嫌いではない。好きな気持ちがあればこそ、大学院まで行こうとしているわけだし。
でも、必要にばかり迫られていたら少し息苦しい。これは必要ないから、今じゃなくていいとか、やらなくていいとか。そんなことばかり考えていたら、息が詰まる。
そんなときは、大型書店の本棚の間を浮遊するように歩くといい。必要な知識ではなく、心が欲する知識を求めて歩くのだ。
ある研究者の書籍が目に入り、手に取った。タイトルは『ウイルスは悪者か お侍先生のウイルス学講義』(高田礼人、亜紀書房)。ウイルス研究の第一人者・高田先生がウイルス学の最前線について語ったものだ。
寝る前に読み進めていく。