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わたしの、宝石箱。(7)雁屋 優

じゅわじゅわ、と肉の焼ける音がする。初夏どころか、雪の降っていないときはいつでも、焼肉を食べる。そんなのは私の家だけかもしれないと思ったこともあったけど、道を歩いていれば焼肉をする家庭に出会うから、特におかしなことではないのだろう。

我が家の焼肉は、ラム肉も牛肉も豚肉も出てくる。私は特にラム肉が好きだ。獣臭いと嫌う人もいるが、それがいい。

肉を頬張る瞬間というのは、とんでもなく幸せだ。肉汁の溢れ出るとき、その旨味が舌の上で弾けるとき。生きていると感じられる。肉を食べることは、私にとって生きていることそのものだ。

Yu Kariya
Writer/Essayist
URL:https://note.com/yukariya07