Column

おひとりじかんのおいしいお話
「食」への想い上野 由佳

こんばんは。本日からこちらで「食」に関するコラムを書かせていただくことになりました。みなさまどうぞよろしくお願いします。さっそく今夜も、おひとりじかんにおいしいお話を。

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おいしい料理を作れるようになりたい、その一心で、独学で料理の勉強を始めて10年になります。飽きもせず続けてこられたのは、料理への探究心。そしてなによりも食事を作り、食べることが好きだからです。

おいしそうな食材を目にすると、どう調理したらおいしく食べられるかしらと家にある調味料や食材との組み合わせに思いを巡らせ、ワクワクした気持ちでいっぱいになります。

料理をする過程では、食材をムダにしないために、できるだけ材料を使い切ることを心がけています。お野菜は皮ごと食べるようにしたり、お肉やお魚の“アク”とされる部分も味わいのひとつ。こうしたらどうかな、と試行錯誤しながら料理をすることが、自分の生きる糧へつながっていると感じています。食材を育ててくれた生産者の方へ思いを馳せ、いつでも新鮮な食材が手に入ることに感謝の日々です。

料理を始めた最初の頃は、「自分でおいしいものを食べたい」、ただそれだけでした。でも、少しずつメニューのバリエーションや、人にふるまう機会が増えてくると「食べてくれた人が笑顔になってくれる料理を作りたい」と思うようになり、今に至ります。

料理をしている時間は、私にとって一種の「瞑想」に近い感覚かもしれません。全身の五感をフル活用し料理に没頭することで、無意識に外界の感覚を遮断してしまうのです。

人生という限りのある時間を、大好きな料理をして過ごせること。それは私にとって自分自身と向き合う大切な、そしてかけがえのない時間でもあります。

食を通じて、たくさんの人とつながっていけたらと、願っています。

Yuka Ueno
Writer
URL:https://note.com/yunori