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Letters. 君と詠む歌 第二首玉舘(たまだて)

前回までのあらすじ:占いで「ふたりの前世は平安時代の歌人」と告げられた玉緒と後輩の天津。ひとりで生きることに慣れきっていた玉緒は、天津の若さを暑苦しく感じながらも、二人で一緒に短歌を始めることにした。

第二首

風呂上がり 君の返信を待ってる
髪は濡れてる 若さは溶けてる

[さっきは途中まで送ってくれてありがとう]
[いえいえ]

あまりにもスピーディーな既読と返信に何故か焦った私は、スマホの画面を一度閉じた。

扇風機を最大風量にして、べたつくブラウスと下着を身体からべりべりと剥がす作業に専念する。部屋はサウナのように蒸し暑くて、帰ってきた途端に脳が干からびそうだ。

最近の若い子って、どうしてこんなに色々早いのだろうか。早いけれど淡白で、なんだか物足りない。無事脱皮に成功した頃、スマホの画面がまた光っていることに気付いた。

[玉緒さん]
[はい?]

さあて、今夜は熱いお風呂を沸かそうか。

[今度デートしましょう]

ほら、やっぱり物足りない。と鼻で笑いそうになったけれど

[なんで君と?]

私の返しも、大差なかった。

—第三首につづく

Tamadate / Novelist & Poet