1/365

ガールフレンド/ガール・フレンド - 7大月輝

ガールフレンド/ガール・フレンド - 7

礼奈の黒髪は相変わらず艶やかだった。レストランのテラス席で日の光に照らされる礼奈を見て、私はため息をつきそうになる。それ、どこの?大袈裟な呼吸を悟られたくなくて、私は礼奈のイヤリングを指した。金色のリングに、オレンジ色の雫型のモチーフ、反対側には白い球がぶら下がっている。おばあちゃんからもらったの。大切そうにイヤリングを触る指先は、薄いエメラルドグリーン色に染められていた。

礼奈は、いつでも何か新しいものを運んでくる。いつの間にか飛び込んだ異文化の街みたいに、私の視界を賑わせる。礼奈はいつも、素敵なものを身につけてるよね、という私の言葉に、礼奈は鷹揚に頷いた。家族のおかげだけど、そこは私も認めてるんだ、と笑う。私は帆立貝のパスタを、礼奈はリゾットを頼んだ。コーヒーは食後で、と礼奈はウェイターにメニューを返す。

私たちの間の話、どこから進めていけばいいのかな?礼奈はコップの水を一口飲んだ。
 
 
第8話につづく

大月輝 / Novelist